1.91歳女性S.D.様 要介護5(在宅介護)
東京都在住
以下は痴呆の母を拘束せずにキズを治し、痒みを軽減する工夫をした例ですが、これはあくまでも我家の殺菌水による治療法ですから、お医者様には笑われるかもしれません。
●'04年1月2日
右足膝頭を、酷く掻きむしる |
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●'04年1月4日
右足全体に掻きキズが拡がる |
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●'04年1月5日
またたく間に、両足にキズが拡がる |
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●'04年1月10日〜
2月半ば
キズが上皮化する頃、 痒みが強くなり掻き壊したくなるようです。 |
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●殺菌水の湿布
殺菌水で消毒し、白色ワセ リンか、紫雲膏を塗ってから、 殺菌水をたっぷり吹き付けたティッシュペーパーで覆い、その上からラップします。 |
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●完治
91歳の割にはきれいな肌ではありませんか?
殺菌水を使うようになってとても肌がきれいになりました。 |
掻きキズの出血が有る間は紫雲膏、 その後白色ワセリンに替え、 何回かの掻き壊しを殺菌水の湿布で
乗り越えました(左の写真)。 2月10日頃までに、両足のキズが総て上皮化しました。 右の写真は3月31日の写真です。あんなに酷くて一時期は足全体がぱんぱんに腫れて、壊疽になるのではないかと心配したことがウソのようです。 |
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老人性の皮膚の掻痒感は痴呆による失検討を伴うと、一晩の内に広大な面積を爪で掻き破ってしまう事があり、市販のかゆみ止め軟膏等に頼っても、キズには塗れないので周囲の皮膚に塗りますが、どの薬も使い始めには痒みが止まったよう思えても、続けて使うとかぶれ等のトラブルが起き、却って痒みを増やしてしまいました。
ホームページ「新しい創傷治療」の夏井先生のページを見るまで毎日キズを消毒していましたが、このページで消毒薬はキズを悪化させると知りましたので、消毒を止め、かさぶたを作らないで治す、ラップ療法を取り入れる事にしました。
殺菌水を毎日キズ洗いと消毒薬代わりに使う内に、殺菌水が母の皮膚掻痒感を消す事が解り、清拭後に殺菌水をローションの様に付け、保湿用に白色ワセリンを塗り、新しい掻きキズがある場合は、キズと周囲の皮膚に殺菌水を付けてから、紫雲膏(褥創に効果的と効能書きにある漢方薬)を塗ってラップし、キズが上皮化して来たら、紫雲膏を使わずに白色ワセリンを塗ると、かさぶたが出来ず早く治る様です。
しかし、「新しい創傷治療」の中の、低温熱傷の治療例の写真にも写っていますが、ラップして閉鎖する事で皮膚から浸み出す汗や脂の出口が詰まり、湿疹や痒みが新たな掻きキズを呼び込む事もあるらしく、少しでも痒みを起こさないために、殺菌水の湿布を思いつき、湿布をするとそれ以上掻き続けることが無くなり、薬やワセリンの効力通り治してあげる事が出来、それから一ヶ月もしたらうす茶色のシミのような痕になり、二度とかきむしりませんでした。かさぶたが出来ると、中が化膿しており何時までもかゆいのだそうです。
痴呆老人の傷による痒みを、拘束せず治療出来ることは夢のようです。在宅介護で苦労する私にとっては大変有り難い事で、殺菌水を日々手放せなくなりました。
報告者=長女
(新しい創傷治療=http://www.asahi-net.or.jp/%7Ekr2m-nti/wound/)
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